「ジャスト・イン・タイム生産方式」を一言で言えば、「ムダの徹底的排除によって生産性向上を図り、以って原価を低減するための一連の活動」となります。
ジャスト・イン・タイム生産方式とは「もののつくり方」の技術、すなわち製造技術にほかなりません。モノの流し方、加工の仕方、作業手順、設備など、すべての技術を融合した経営効率を高めるための生産現場の技術なのです。
このジャスト・イン・タイム生産方式を支える2本の柱として「ジャスト・イン・タイム」と「自働化」があります。
ジャスト・イン・タイムを現場的に翻訳すると「欲しいモノを、要るときに、要るだけ、つくる・運ぶ」となります。これは、前工程がつくったものを後工程に送る方式から、後工程から必要なときに必要なものをとりに行くように部品の流れを変更したものです。
モノづくりで大切なのは、「売りに結びついたモノだけをつくる」ということです。売りに結びついたものだけを、効率的でムダのないやり方で生産していく、つまり、売りのタイミングに合わせてつくることです。この仕組みが「ジャスト・イン・タイム」の考え方です。
ジャスト・イン・タイムは、「欲しいモノを、要るときに、要るだけ、つくる・運ぶ」これを徹底させれば、「前工程は、引き取られた分だけつくる」ことになり、売れないモノは決してつくらないシステムが確立し、不必要な在庫が生じません。
ムダな在庫を持たないためには、遅れるのはよくないけれど、早すぎるのはもっと悪いのです。「つくり過ぎ、早すぎ」を認めてしまうと、ムダな在庫が発生して、ジャスト・イン・タイムが機能しなくなります。
どうしても暇だと手をもてあまして、何か余計なことをゴソゴソとやるからです。作業者としてじっとしているわけにはいかない心情はわかります。 ※図1
ジャスト・イン・タイム生産方式のもう一つの柱は「にんべん」の付いた「自働化」です。不良品を後工程に送らないために、問題の発生した現場では機械やラインを止めて問題点を顕在化させます。自働機の場合、問題が発生したとき、すぐ停止するようになっています。
この自働化の背後にある思想は、「止める化」と「見える化」です。止めることにより、問題解決を先送りせず、問題箇所を見えるようにして、原因追及を速やかに実施することが出来ます。
まとめ
(1)ムダを徹底的に排除し、利益を創出する
(2)売れた分だけ、流れでつくる
(3)平準化してつくる
(4)ニンベンのある自働化にする
(5)量に頼らないモノづくり
(6)現場現物を重視する
(7)人の能力を最大限活用する
※図2